AfterEffectsで色管理を一括するスクリプト「Color Integrator」を作った話
2022/01/03 追記 幸いなことに色々な方に興味を持っていただけているようで嬉しいです。 どうやらgoogle driveのアップデートで一時的にリンクが使用できなくなっていましたが、回復させておきました。
こんばんは、まつらいです。
AfterEffectsにおいて面倒なことのひとつ、各レイヤーの色管理を一括してパネルで行えるようになるスクリプトを作成しました。
以下のURLよりDLして ScriptUI Panel
に入れてご使用下さい。
https://drive.google.com/open?id=0B3I96L8wZItOS2dnRVhuQ1p4NjQ
2017/02/08 01:57 カラーピッカー使用時に値がおかしくなるバグを修正しました。(v1.0.4)
使い方
このスクリプトは、特定のコンポジション内のテキストレイヤーに記述されたカラーコードを他のレイヤーから参照して使用する管理方法を効率化したスクリプトです。 このスクリプトでは _colorIntegrator
コンポジション内の colors
レイヤーを参照しています。
まだ _colorIntegrator
コンポジションが作成されていない場合、startを押すとコンポジションが作成されます。最初は自動的に#FFFFFF
が登録されますので、色を変更して適用するかscanして他のレイヤーの色を取得してみましょう。すぐにscanを行う場合は最初の#FFFFFF
は削除したほうが便利かもしれません。
色を取り込んで置き換える
レイヤーかプロパティを選択した状態でscan
をクリックすると、使用している色を取り込み、エクスプレッションに置き換えます。同じ色が重複している場合は一つにまとめられる他、既にcolorIntegratorに登録されている色を使用していれば自動的にそちらに置き換えられます。
色の変更する
右側のカラーコードをクリックするとカラーピッカーが起動し、色の変更ができるようになります。OS依存のカラーピッカーが起動し、決定やescをした際に色が変更されます。
また、パネル下部のカラーコードで直接変更することも出来ます。外部で管理している色使用する場合はこちらを使用するのをおすすめします。一括で色を変更したいときや色の入れ替えにも。
色を適用する
レイヤーかプロパティを選択した状態でリスト左側の色をクリックすることで、そのレイヤー/プロパティに色のエクスプレッションを適用します。以降、colorIntegrator側で色を変更すれば自動的に反映されます。
おすすめポイント
- 基本的に特定コンポジションの色指定を取得して管理しやすく作り直しているだけなので、このスクリプトがない環境でもプロジェクトが動きます。
- 文字列で色を管理できるので、コピペとかでサクッと配色パターンを変えられます。
- 上位のコンポジションから下位のコンポジションの色を手軽に変更できるようになるので、後から色を変えようと思った時にレイヤーを探す手間が省けます。
注意点
- このスクリプトでは色は「順番」で管理されています。n番目の色を参照する、というような書き方なので、色の置き換えとかがすぐにできる分色を減らしたり統合する時は頭を使います。どうしてもパネル上の2色を統合したいときは、一度「キーフレーム補助->エクスプレッションをキーフレームに変換」等でエクスプレッションでのリンクをなくし、後ほどscanし直すなどの運用が良いかと思います。
- すべての色計算時にテキストレイヤーを読みに行くので、(試しに使用している範囲では気になりませんでしたが)あまり複雑なことをすると重いかもしれません。
ctrl+z
等「戻る」をした時に、ScriptUI側から検知することが出来ずcolorIntegrator側では色が戻らないので、手動でreloadをクリックして下さい。- 不完全な部分もあるかと思いますので、フィードバックいただければ幸いです。
ところで、
こちらのスクリプトのソースコードは2016年冬のコミケに出しましたこちらの本のおまけとして、すべて公開しています。
中身的にはgulpやES2015などを使ってAdobeExtendScriptを書いております。
(別に買わなくてもgithubから見れますが、)この機会にぜひお求め頂けますと幸いです。
以上、AfterEffectsユーザーの助けになれば幸いです。
複数人で動画制作をするときに役立つメモ(FRENZ制作後記)
はじめに
まつらいです。
今までmatsurai25.infoに色々書き溜めていましたが、
今回からはてなブログの方にちまちま書き溜めて移行していこうと思います。
FRENZ2016、お疲れ様でした。
今回は一日目夜の部に「うどん2.6kg」として出典、うまうやさんと共同でMMDのMVを作成いたしました。
この記事はうまうやさんのブログと連動していまして、C4DやMMD関係を主体に書いているうまうやさんの記事と、共同制作のための諸々を書いてる僕の方とで書いてありますので、よければそちらも御覧ください。
目次
プロジェクトのリンク切れから解放されるための話
ためになることは先に書きます。
解決策としては、
「相手の作業環境と同じパスに自分の作業環境へのシンボリックリンクを作成する」
ことで、素材の読み込み先をOSレベルで上書きすることができます。
Dropbox等の共有フォルダでAEやC4Dのプロジェクトファイルを共有していると、
お互いの作業環境のフォルダパスにより素材のリンク切れが発生してしまうことがよくあります。
今回の制作中で言えば、
うまうやさんがC4Dのセッティングをした後に僕がカメラで動きを付けていく
という作業をする場面があり、この際に一々MMDから読み込んだミクさんの諸々の読み込み先を変更し直したりで、結構な手間が発生してしまっていました。
これらの手間を、シンボリックリンクを作成することにより解消します。
シンボリックリンクは特定のパスへのアクセスが来たらそれを特定のパスへ引き継ぐというような効果を持っています。
細かい作成法などはこちらを御覧ください。
今回の場合、共通の作業フォルダが UnfairAddiction
、 うまうやさんのDropboxのパスがC:\Users\umauya\Dropbox
であり、自分の方のパスがD:\Dropbox
でしたので、
mklink /D C:\Users\umauya\Dropbox\UnfairAddiction D:\Dropbox\UnfairAddiction
という感じで作成してあげました。
これにより、同一のファイルを即座に編集/共有ができるようになり、かなりの効率アップが出来ました。
情報共有のためのまとめ
今回の共同制作で役に立ったものをいくつか上げます。
Dropboxで全ファイル同期
ファイルの共有に関して、今回のプロジェクトに合わせてうまうやさんと僕のみDropboxProに契約しました。
AVIファイル等の大きな単位でファイルを共有すると送受信に時間がかかったりで面倒でしたので、レンダリングは全て連番PNGで行っています。
PNGIO許すまじ
Skypeで毎週定例する
基本的に情報共有はこちらで行いました。
Skype駆動制作といいますか、Skypeで毎週話すことで大体進捗が出ます。
途中Civ5やったりAEオフの募集開始をみたり(AEオフ運営も毎週木曜に定例してるのでは疑惑があった)。
4ヶ月ぐらいはやってました。
appear.in
Skype中、及び制作終盤はほとんど繋ぎながらやっていました。 手軽に画面共有ができるのでサービスで、非常に便利です。Skypeの画面共有だと一人しか流せませんが、これなら全員が今何の作業をしているか知ることができます。
Googleスプレッドシート
Skypeで話す以外のメモの共有などはこちらで。
リアルタイムにそれぞれの編集が反映されるので、スカイプしながらの議事録共有としてもよいです。
終盤にはうまうや先生が修正箇所や進捗表まとめなどを作成共有してくれていたので、非常に助かりました。
UnfairAddiction制作後記
というわけで、大体4ヶ月くらい共同の制作というものをしてみました。
初期構想を色々と練ったり、MMDをC4Dでどう動かすかを研究したり、ものになった制作でした。
今回はMMDとC4D関係は全てうまうや先生、カメラモーションと色彩とコンポジットは僕もみたいな感じで分業していましたが、実際にC4D使い込んでる人のC4Dファイル色々さわれたり、Skypeで話しながらC4Dについて聞けたりしたのは多分僕の今後の作品に大いに活かされると思います。
今回実際にFRENZに行ったのは初で、しかも初出展で、色々学ぶことが多かったです。
特に、FRENZ会場であの熱を味わって、もっとエッジの効いたヤバイものを出したいと強く思いました。
来年も出ます。。
おまけ
同じ日本語を喋っているとは思えないと言われた僕達の進捗共有図です。